ゲームレビュー

FF16クリアレビュー!賛否両論あるストーリー感想【後半ネタバレあり】

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先日、2023年6月22日にとうとうFF16が発売されました!
FF15の発売から約7年ぶりのファイナルファンタジー最新作で、スクウェアエニックスの看板作品。

今回はRPGではなく、明確にアクションと明記されているFF初の試みのナンバリングになります。

発売日の2週間前に体験版が配信されてそれが面白かったのでめちゃめちゃ楽しみにしていました!

前半はネタバレは体験版部分まで、後半はネタバレありのレビューをしていくよ!
主にストーリーパートの話で、アクションに関する部分はレビューしません。

ネタバレ(体験版パートまで)

ネタバレなしのストーリー感想です。

ただし、体験版パートまでになっている最序盤の話はしようと思うので、序盤の話すら完全に見たくない人は、ブラウザバックをお願いします。

召喚獣戦争の重たいテーマのFF

ヴァリスゼアという世界に散らばる、マザークリスタルという資源を巡って、戦争が発生しているという今作。マザークリスタルの付近は潤沢なエーテルに溢れて生活に困らないが、ヴァリスゼアの世界は謎の黒の一体に飲まれているため、各国は存続をかけて領土進行をせざるおえないという重たいストーリーです。

物語の世界観

個人的に、色々政治や勢力が入り乱れる世界観はすごく好きです。
ロザリア公国、ザンブレク皇国、ダルメキア共和国、ウォールード王国、クリスタル自治領、鉄王国、自由都市カンベルの8カ国でてきて、各国毎に特徴があり魅力的な国々です。

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参照元:Square Enix Yes, You Can Pet the Torgal: A Final Fantasy XVI Panel at PAX East 2023

共和国や、宗教大国、商業国など、まさに現代の世界の縮図のような各国の文化の違いは設定の時点でワクワクさせられました。

ゲームを最大限に楽しむために覚えておいたほうが良いのが、これらの情勢です。

ポイント

  • 主人公クライブの出身地、ロザリア公国とザンブレク皇国、ダルメキア共和国は三国同盟を結んでいて同盟国
  • ロザリア公国はマザークリスタルを保持していたが、海を挟んだ鉄王国に実質マザークリスタルを奪われている状態
  • 冒頭の戦争は、ダルメキア共和国 対 鉄王国の戦争
  • クライブは色々あって、ロザリア公国ではなくザンブレク皇国の暗殺者として鉄王国のドミナント シヴァを狙っている第三勢力

前半は、ここを理解して見ればストーリーはスームズに見られると思います。

表情豊かな序盤のストーリー

序盤を少しすると、クライブがなぜザンブレク皇国の暗殺者(ベアラー兵)になっていたかの青年期のストーリーが始まります。

クライブは第一王子だがフェニックスのドミナントを宿せず、フェニックスの後継者の第二王子のジョシュアを守るナイトになります。

この二人がまた仲が良くて、お互いを尊敬しあうシーンがうまく描写されており、その後の二人の未来が気になる引き込まれる冒頭ストーリーになってます。

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剣の師匠でもあるマードック将軍が立場は違えど息子の様に思っている描写も、宴のシーンを入れて背景が理解できる様になっていて、人間関係がよく分かる描写でとても良かったです。

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クライブに危険が及んだときは、クライブ様ではなく思わず「クライブ!!」と叫んでしまったりこの描写も気持ちがこもっていて良かったです。

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クライブもジョシュアに危機が迫り、すぐにでも駆けつけようとしている中、自分を守ってくれたチョコボのアンブロシアにも気遣い駆け寄るシーンも印象的でした。

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結構、他のゲームとかで「仲が良い」という設定があってもあっさりしていたり、普通気を使うだろうという所が抜けて、感情移入しにくくなるストーリーも多いです。その中FF16は細かい心理描写もしっかり描かれており、序盤のストーリーはひたすら引き込まれてのめり込みました。

綺麗すぎな映像美!!

PS5の能力を最大限に活かしたとあって、この重厚なストーリーがこの映像クオリティで見られるのは、さながらずっと世界に居るような、超濃厚な映画をハイクオリティで見ているような気分になりました。

今作はオープンワールドではないので自由度は少ないのですが、どっしり腰をすえてストーリーと映像美を楽しむという作品としてはとても良かったです!

【ネタバレ有り】クリア後のストーリーの感想

ここからはクリアしてみてのネタバレありストーリーの感想を書きます。
完全ネタバレあり!
未クリアの人、これからやろうと思っている人、まだやっていない人はブラウザバックを・・

FF16 ストーリー全体について

あれ?ストーリーのピーク、体験版までじゃね??というのが正直な感想です。
シドが存命していた隠れ家襲撃までがストーリーとして楽しくできましたが、その後のストーリーは矛盾も多くクライブのやりたい事が分からなかった。

クライブの目的

クライブ、「人の自我がー・・」と言っているが、クライブに自我がない・・

シドの言葉「人が人として生きられる世界」を目指していくんですが、今までの歩みがあるシドが言うから重たい言葉になっているのであって、それを受け継いだクライブが言っても全然重みがありません。

そもそも、「人が人として生きられる世界」ってどんな世界よ?

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ベアラーの差別がなくなる世界?
マザークリスタルに依存しない世界?
戦争がない世界?

全然はっきりしてません。多分クライブもわかってません。
シドが目指した世界がわかってないのに、シドの言葉を使うから流されっぱなしリーダーって感じでした。

サブクエストの存在と移動距離

世界観を保管するはずのサブクエは全て終わりましたが、9割お使いと移動。
特に拠点を無駄に移動させられて、ただ話しかけて、次は別のやつに話しかけて・・・の下りは令和のゲームデザインとは思えない・・

そんなのワープさせてくれればいいじゃん。ムービーで保管して移動をなくせばいいじゃん。という感じでした。

個人的にムービーの多いゲームは嫌いじゃない、むしろ好きな方ですが単なる移動はホント無駄・・しかも、景色の良いところを歩くのでもなく、見飽きた拠点での移動や、外も後半曇り空になるので全体的に暗い画面のなか更に暗くなってせっかくの映像が台無しという感じでした。

ザンブレク皇国との確執

序盤〜中盤の物語は炎のドミナントを復讐の対象として追いかけて行きます。
そして、気がつくんですがクライブは炎のドミナントを復讐の対象にしているだけで、裏切りの火種になったザンブレク皇国には恨みがないんです。

普通に考えたら、ザンブレク皇国が同盟破棄し裏切ったせいで当主の父は死に、ジョシュアも死ぬ事になり、さらに13年間ベアラー兵で奴隷生活をしていたはずなのに、ザンブレク皇国に恨みがない。

ジョシュアに止めを刺したと思っている炎のドミナントだけ追っている・・

そして最後には、何のしがらみなくザンブレク皇国のディオン・ルサージュと共闘するという。ディオンが良いやつのは分かるが、故郷を踏みにじった国の皇子だぜ・・

ロザリア公国の再建

ロザリア公国の再建を誰も考えないのはなぜ??
おまえ、こんな事言ってたのにロザリア公国の再建とか考えないんかよ・・

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ロザリア公国、存亡の危機に立たされてそのまま滅亡の道を歩ませちゃうって・・
結局、ジョシュアが戻って来ても誰もロザリアの再建のことを考えないです。ロザリアはザンブレクの属領で存在するから良いってことですかね?

植民地みたいなもんなんだし、現にロザリア領でザンブレクの正規兵が村の惨殺を起こしてるし、当主嫡男の意識が足りなすぎ。

隠れ家にいる人は、よく自分の考えがないクライブに付いていっているなと言う感じ。いや、こんなんだからクライブにはお使い(サブクエ)しかさせられなかったんか??

そんな所リアルにしなくて良いんだけど・・

大罪人シドは何が大罪か

マザークリスタルを壊すことが大罪になるのに、マザークリスタルが無くなった時に、何が不便になって世界はどう変わったのかの描写がなさすぎる。

恐らく、マザークリスタルは油田や電気のようなもので、これが無くなると著しく生活が苦しくなるという事だったはずなんだけど、困っている人がほとんどいない・・

困っていても、クリスタルを使ってるのが魚の保存で冷たくしたり、炎をつけたりするくらいだから、マザークリスタル壊しても対した影響がないように感じる。そして、ベアラーがいれば魔法使ってどうにかできちゃう。

にも関わらず、エーテル溜まりが出来ているのがマザークリスタルが無くなったせいだと思う人が一人もいない。

ストーリー的には、エーテル溜まりを作ったのはアルテマで、マザークリスタルが無くなった事と全く関係ないんだけど、ヴァリスゼアの一般人はアルテマの存在を知らない。

だったら、因果関係的にこんな思考になるよね。

  1. シドがマザークリスタルを砕く
  2. エーテル溜まりが出来始める
  3. 人がアカシアになる
  4. マザークリスタルが砕かれたせいでエーテル溜まりが出来たと勘違いする
  5. シドが世界を滅亡させようとしている!

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これなら大罪人と言われても仕方ないと思うけど、誰もこの事に言及しないお馬鹿さんばっかりしかヴァリスゼアには生活していない。

現実でも、例えば電気がなくなれば病院で生命維持装置が使えなくて亡くなる人が出てくるというのがあるよね。
FF16もマザークリスタルを砕いてしまった事で、亡くなる人がいたりクライブに恨みを持つ人がいた方がリアリティも危機感も大きかったと思う。

FFというナンバリングを担いでるから、主人公が恨まれるという描写が出来なかったんじゃないかなという感じ。
だけど、この矛盾を無視したらストーリー的に凡作になっちゃうよね。

壮大な展開を期待

正直、ストーリー中盤くらいでロザリア公国の再建を掲げて、かつての仇敵のザンブレク皇国と手を組み、差別されているベアラーを使って世の中のベアラーの確執をなくし、一丸となって世界の敵のアルテマと戦う!くらいの熱い展開を期待してました。

ロザリア公国の持つ炎のフェニックスが再建の伝説があるんだから、ロザリア存亡の危機を救って過去の伝説を再現させるって普通思うよね。序盤伏線はりまくりだったし。

だけど、中〜後半のストーリーは著しく自分の期待を裏切って、悪い方に行ってしまったなという感じ。
映像はすごいし、派手だし、綺麗なんです。バハムート戦とか戦闘シーンだけ見たら圧巻。プレイしてる途中は、凄いゲームをやっている錯覚に陥るんです。いや実際、映像はめちゃめちゃすごいんです。この映像を見るだけでFF16をやる価値が有ると思えるくらいに凄いし力が入っている。

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だけど、こんな派手なのに戦う理由がチープなんで現実に戻されちゃうんですよね。なんで戦ってるんだっけ?

他にも、
序盤、鉄王国は何故、海を隔てて遠いダルメキアに戦争を挑んだのか。
アルテマ暗躍でクライブがドミナントを吸収するように仕向けたはずなのに、ロザリア公国崩壊のきっかけになった王妃アナベラもザンブルク公国の神皇シルヴェストル・ルサージュもアルテマの息がかかってなかったのか。
ジョシュアの偽名がほとんど意味をなしていない。
リヴァイアサンはどこ行った。
ジョシュアはいつ本を書いたんだよ。死んどるやん。

気にすれば気にするほど矛盾が多い。

FF16の世界観が膨大で世界を描ききれていない、ではないと思います。
言うなれば、FF16の世界観や設定を無視してゲーム開発者が開発しやすいようにストーリーを曲げて、人物描写を良いように解釈したゲーム。そんな印象です。

そんなになるなら、国を8国も出さずに3国くらいにスケールを少し下げればよかったのに・・

序盤、体験版までのストーリー描写までは丁寧に描かれていた人間関係が、中盤〜終盤になるにつれゲーム作成側の良いように操られて、普通のゲームキャラクターになり下がってしまった感じです。

序盤のストーリーは、人間の葛藤と心情の描写が上手く描かれていて本当に良かった。映像美も相まって、濃厚な物語を見せてもらえると思いました。
だけど、中盤以降はそんな心情描写も消え失せて残念なストーリーと言わざる負えないかなという感じでした。

映像美が凄いので、大作をやっている感覚はとてもあり十分楽しみました。ただ、甘美な映像美で上手く誤魔化している感じもあるなぁと言うところでした。

序盤は寝ずにやるくらい楽しんでたのになぁ・・

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